マニュアル
メタボード(Metaboard)
1.はじめに
1-1.メタボード(Metaboard)とは
教育・学習活動を支援する学習ダッシュボードとしてメタボードを開発しました。
メタボードにはいくつかの分析ツールがあり、ここでは以下の3ツールについて説明します。
リアルタイムモニタリング
リーディングパス
MAI Helper
※教材の公開に、デジタル教材閲覧システム”BookRoll”を使用する必要があります。
1-2.メタボードを利用する
メタボードは、九大研究Moodleのコースに設置したリンクからログインできます。
利用の流れは以下の通りです。
教員が 九大研究Moodleのコース の利用申し込み(申し込みの詳細は お問い合わせください)
教員が 講義資料としてBookRoll 教材を使用する〔BookRoll のマニュアル参照〕
教員が メタボードへのリンクを 九大研究Moodle のコースに設置
これで、リンクをクリックして閲覧可能になります。
1-3.Moodleにメタボードへのリンクを設置する
1.コース内画面より、画面右上の[編集モードの開始]をクリックして編集モードを開始します。
※編集モードを終了するときは同様に、画面右上の操作ボタンをクリックし、[編集モードの終了]をクリックして編集モードを終了します。
2.メタボードへのリンクを配置するトピックの「活動またはリソースを追加する」をクリックします。
3.Metaboard を選びます。
4.活動名を入力し、[保存してコースに戻る]をクリックします。
5.コースに追加されたメタボードのリンクをクリックするとメタボードが開きます。
1-4.トップ画⾯
九大研究Moodleよりメタボードを開くと、トップ画面に分析ツール一覧が表示されます。
右上のログアウトをクリックすると、Moodle画面が開きます。
利用したい機能をクリックしてください。
マニュアルはこちら→【2.リアルタイムモニタリング】【3.リーディングパス】【4.MAI Helper】
2.リアルタイムモニタリング
リアルタイムモニタリングでは、デジタル教材閲覧システム”BookRoll”の教材について、学生の現在の利用状況をモニタリングできます。
2-1.リアルタイムモニタリング画⾯
リアルタイムモニタリング画面を開くと、注意事項と画面例が表示されます。
左上の〔<ツール一覧に戻る〕をクリックするとトップ画面に戻ります。
1.状況をモニタリングしたい教材を選択してください。
2.確認したい項目をクリックして、項目の表示・非表示できます。
右上の矢印をクリックするとフルスクリーン表示になります。
<講義の参加状況>
教材の閲覧状況が確認できます。
<閲覧分布>
各ページの閲覧人数の時間遷移が表示されます。
<説明中のページ>
閲覧人数:教員がその時開いているページと「同じ」「前」「後」のページを開いている人の割合が表示されます。
理解度:教員がその時開いているページで「分かった」「分からない」ボタンを押した人の割合が表示されます。
<マーカー>
クラス全体で引かれたマーカーを可視化することができます。引いた人数が多いほど、明るく表示されます。
<注目単語>
マーカーやメモ内で出現した単語の一覧です。単語順か回数順で並び替えできます。
<全体の理解度評価>
各ページの「分かった」「分からない」ボタンによる評価を確認できます。
<過去の講義での学習傾向>
類似(同じ)教材を使った過去の講義での学習傾向が確認できます。
2-2.活動の通知(教員・TAのみ)
教員・TAが利用するときは、クラス全体の活動に関する通知が表示されます。
(1)直近の通知が表示されます。
(2)アイコンをクリックすると、過去の通知一覧(3)が表示されます。
アイコンの数字は未確認の通知数です。
(3)通知一覧を確認できます。
(4)新しい通知が届くと一時的に表示されます。
3.リーディングパス(Reading Path)
リーディングパスは、学生のデジタル教材閲覧システム”BookRoll”上での学習活動(リーディングパス、マーカー、メモ、BookRollと連携した知識マップツール”BR-map”などの情報)を可視化するシステムです。クラス全体の学習活動と学生の個人活動を同時に提供することにより、クラスの情報を比較して、自分の活動を理解することができます。
3-1.リーディングパス画⾯
左上の〔<ツール一覧に戻る〕をクリックするとトップ画面に戻ります。
1.活動を確認したい教材と時間帯を選択し、[画面更新]をクリックしてください。
選択リストが表示されない場合は、右側に表示される[三]をクリックしてください。
2.クラス全体(左の画面)と自分(右の画面)のリーディングパスを閲覧できます。
この画面では、全体的なリーディングパス、どのページをより長く閲覧しているか(丸数字の色の濃さ)、どのパスでより多く移動しているか(線の太さ)、どのページにマーカー(H)、メモ(M)、BR-map(B)をよく多く追加しているのかなどの情報がわかります。
また、クラス全体の情報と自分の情報を比較することができます。
<各要素の説明>
色の濃さや線の太さが利用頻度を表しています。
● 丸数字(ノード):教材のページ番号。(色の濃さが閲覧時間に比例)
)丸数字の間の線:ページ間のリーディングパス。(線の太さが移動回数に比例)
:マーカー(ハイライト)がそのページに付いていることを表しています。(色の濃さが数に比例)
:メモがそのページに追加されていることを表しています。(色の濃さが数に比例)
:BP-map がそのページに追加されていることを表しています。(色の濃さが数に比例)
3-2.各ページのプレビュー
リーディングパス画面の丸数字(ノード)をクリックすると、各ページのプレビューが表示されます。
この画面では、クラス全体(左半分)と自分(右半分)の該当ページの以下情報が表示され、クラス全体と自分の情報を比較することができます。
教材内容
各マーカー(赤、黄、青)の位置や数
メモの位置および数
BP-mapの数
Time:各ページを閲覧した時間(秒)
3-3.リーディングパスの活用例
リーディングパスを利用した具体的な学習活用や授業デザインへの支援の例を紹介します。
<授業前>
授業の前に、学生は予習してください。
1.予習状況の確認(教員・学生)
リーディングパスにより、クラス全体の予習を確認します。
例えば、どのページが一番注目されていたのか、各ページにクラスの学生がどのようにマーカーを引いたのかなどの情報を把握して、予習の状況を理解することができます。教員はマーカーやメモ、閲覧時間などを参考に、授業にて説明を重視すべき点など検討し、授業進行に役立てることができます。
2.授業の再設計(教員)
クラス全体の学習履歴の結果から、授業内容や教材を再設計します。
例えば、
一番注目されていたページの確認:各ページに閲覧した時間とこのページで引かれたマーカーなどを合わせて見て、教材の内容が適切かどうか、内容を更新・修正する必要があるかどうかを確認します。
マーカーの確認:学生がわからないと感じた内容(黄色マーカー)について、教材の修正、または授業中の補足説明などを追加する必要を確認します。学生が重要と感じた内容(赤色マーカー)について、授業中強調して、補足説明を追加する必要を確認します。
メモの確認:どのページでメモが多いのか、これと閲覧の時間とマーカーを合わせて見て、授業中補足説明を追加し、話し合う必要を確認します。
BR-mapの確認:BR-mapは、学生が授業で学ぶ内容・項目間の繋がりを認識し、知識を整理し、関連付ける知識マップ作成のために利用されます。BookRollにある授業資料上のマーカー箇所やメモを活用して作成することができます。リーディングパスの他、別途、BR-Mapを使用することで、学生が授業内容の理解において、デジタル教材のどの部分に注目して理解しているのか、解釈しているのかわかります。BR-Mapで表現される学生の理解や解釈に応じて、授業中に強調して、補足説明を追加する必要を確認します。
※BP-map を利用するには、Moodleのコースに”BP-map”を追加する必要があります。
<授業中>
1.授業中の補足説明(教員)
再設計を行い、授業進行・教材に関する補足説明などを行います。
また、クラス全体の情報をクラスに伝えて、学生個人の情報とクラス全体の違いを意識させます。
2.ピア学習・グループディスカッション(教員・学生)
ピア学習・グループディスカッションを行い、自分とクラス全体の違う部分(例えば、自分が黄色マーカーを引いたが、クラス全体が引かなかった)について、他の人と話し合って、意見や考えを共有します。
<授業後>
1.復習(教員・学生)
教員は、授業中強調した部分や、学生自身とクラス全体の違う部分に注目して教材を読み返すよう案内します。
学生は、授業の重点や、自分がクラスとずれている内容に注目して、復習を行います。
4.MAI Helper
MAI Helper(“Management and Active Involvement of Learning” Helper)とは、時間管理スキルと内省スキルの向上を図るために自分の学習行動を可視化することができるツールです。その特徴は、BR(BookRoll=デジタル教材閲覧システム)、MB(MetaBoard=学習ダッシュボード)と連携していることです。これにより、自分とクラス全体の学習行動を比較ができます。また、オンライン環境があれば、いつでもどこでもPC、タブレット、スマートフォンからの閲覧や入力が可能です。
4-1-1.Homeタブ画面
この画面では、画面の左下側に自分とクラスの学習行動をヒートマップで表示しています。ヒートマップとはデータの数値の強弱を色で可視化したものです。よって、この場合はアクセス数が多いと色が濃くなります。
(1) Schedule List:現在以降の予定について、予定数、直近の予定が表示されています。右端の(+)マークをクリックすると、今後のスケジュールを一覧で確認できます。
(2) 〔i〕マーク:クリックするとアイコンやヒートマップの意味が確認できます。
(3) 日付:アクセス日(現在)が表示されています。
[<]/[>] 日付を1日戻す/進めることができます。
日付の右横のカレンダーアイコンをクリックするとカレンダーが表示されますので、任意の日を選択できます。
日付の右端のプルダウンリストで、日・週・月表示を選択できます。
(4) BR(BookRoll), MB(MetaBoard), MH(MAI Helper)をチェックすると各ヒートマップの表示ができます。
(5) ヒートマップ上の各アイコンにカーソルを置くと自分の行動が表示されます。
(6) ヒートマップ上にカーソルを置くとクラスの行動が表示されます。
(7) アクセス回数が多くなるほど、色が濃くなります。
(8) スケジュール:上部日付のスケジュールが表示されています。赤いラインはアクセス時刻(現在)を表しています。クリックすると、スケジュール登録画面が表示されます。
4-1-2.Scheduleタブ画面
Scheduleのタブをクリックして、スケジュールの入力・確認を行います。
<スケジュール入力>
1.カレンダーでスケジュールを登録したい日付を選択し、[決定] をクリックします。
2.どの時間でも良いのでクリックすると、スケジュール登録画面が表示されます。
3.スケジュールを登録します。
タイトル:要件を入力します。
開始日時/終了日時:スケジュール日時を設定します。
終日:チェックを入れると、「その日全体」に反映されます。
繰り返し設定:繰り返さない/毎日/毎週/毎月/毎年/その他、繰り返しの間隔を設定します。
通知設定:通知しない/1時間前/1日前/3日前/1週間前/その他、通知の時期を選択します。
メールで通知する:通知する場合チェックを入れます。
備考:必要に応じて入力します。
4.[保存] をクリックすると、画面が再表示され反映されます。スケジュールをクリックすると、詳細確認や編集、削除できます。
<スケジュール検索>
1.検索したい単語を入力します。
2.検索結果が表示されるので、確認したいスケジュールをクリックすると該当日の画面に遷移します。
4-1-3.Reflectionタブ画面
Reflectionのタブをクリックして、リフレクションの作成・確認を行います。
画面右側は今まで入力したリフレクションが新しい入力順に表示されています。
<リフレクションの新規作成>
1.左側の新規作成欄にリフレクションを記述します。各項目、授業に関する内省を入力します。
①から③までは必須入力です。
2.[保存] をクリックし、記述した内容が右側の「記録」に反映されているか確認してください。
4-2.ログアウト
全ての登録および確認後にログアウトをクリックします。
5.困ったときは
文字が入力できないなど、動作がおかしい場合は、ブラウザのキャッシュをクリア後、動作確認を行ってみてください。
それでも、解決しない場合は、以下連絡先へメールにてご連絡ください。
九州大学ラーニングアナリティクスセンター<inquiry[at]la.kyushu-u.ac.jp>